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入院中、担当の看護師さんや作業療法士・理学療法士さんに何度も言われました。
「退院すると、太りやすくなるから気を付けてね!」と。
絶対はないやろ……と思いながら、退院後もなるべく気を付けて過ごしていましたが、見事に太りました。。。
原因は、食事量が増えたことと運動量が減ったことです。
間食は意識して避けていましたが、やはり外界の飯はうまいんですよね。おかわりしまくりでした。
運動量についても、退院後は各種手続きで忙しかったり、社会復帰のためにパソコンの前で調べものや勉強をしたりと、身体を動かさない時間が増えました。
今思うと、入院中はリハビリ以外でも筋トレをしていたので、結構な運動量だったようです。
そこで、まずは自宅でできる筋トレを始めることにしました。
スポーツが身体に良いことは分かっていても、車いすで始めるとなると、なかなかハードルが高いですよね。
車いすテニスや車いすバスケットボールも楽しそうですが、場所や道具、参加できるチームを探す必要があるので、簡単には始められません。
今回は、僕が実際に車いす上で使っている筋トレ器具を3つ紹介します。
- セラバンド・トレーニングチューブ
- バーンマシン
- アームバー
それぞれの特徴や使い方、注意点もまとめました。自宅で筋トレを始めたい方の参考になればうれしいです。
車いすで筋トレを始める前の注意点
車いすユーザーにとって、腕や肩は移動や移乗にも使う大切な部分です。
筋トレで肩を痛めてしまうと、車いすをこいだり、ベッドや車へ移乗したりする日常動作にも影響が出る可能性があります。
始める前に、次の点を確認しておきましょう。
- 車いすのブレーキをかける
- 必要に応じて転倒防止バーを使用する
- フットレストやチューブの固定位置を確認する
- 軽い負荷、少ない回数から始める
- 反動を使わず、ゆっくり動かす
- 肩や腕に痛みが出たら中止する
- 体調が悪い日は無理をしない

体幹が安定しにくい方は、背もたれやベルトなどを使って姿勢を安定させてから行ってください。
麻痺の状態や肩の可動域には個人差があります。運動を始めることに不安がある方や、すでに肩・肘・手首に痛みがある方は、主治医や理学療法士、作業療法士に相談してから始めることをおすすめします。
強い頭痛、急な発汗、顔のほてりなど、いつもと違う症状が出た場合も運動を中止してください。
3つの筋トレ器具を比較
| 器具 | 負荷 | 収納性 | 初心者向き | 主に使う部分 |
|---|---|---|---|---|
| セラバンド・チューブ | 弱~強 | とても良い | ◎ | 腕・肩・背中 |
| バーンマシン | 中~強 | 普通 | ○ | 腕・肩・僧帽筋 |
| アームバー | 中~強 | 良い | ○ | 胸・腕・肩・背中 |
最初に1つ選ぶなら、個人的にはセラバンドやトレーニングチューブが使いやすいと思います。
軽くて場所を取らず、強度も選びやすいからです。慣れてきて、短時間でもしっかり運動したい場合はバーンマシンもおすすめです。
セラバンド・トレーニングチューブ
リハビリ室に、カラフルなゴムバンドが置いてあるのを見たことはありませんか?
入院中に使ったことがある方も多いと思います。
セラバンドやトレーニングチューブは、筋トレだけでなく、ストレッチやリハビリなど幅広い使い方ができる便利な器具です。
セラバンドは強度によって色分けされています。トレーニングチューブにも複数の強度があり、グリップ付きの商品なら手で握って使いやすいのが特徴です。
以前はGreen(+1)のセラバンドを使っていましたが、現在は劣化したため使用していません。ゴムに亀裂や変色、べたつきがある場合は、途中で切れる可能性があるので使わないようにしましょう。
今は、写真のようなグリップ付きのトレーニングチューブを使っています。初めて使う方は、無理に強いものを選ばず、軽めの強度から始めた方が安全です。

トレーニングチューブの使い方
例えば、車いすのフレームなど、安全に固定できる場所へチューブを取り付け、両手で身体の方向へ引くと背中や腕を鍛えられます。
ただし、取り付ける場所によっては、チューブが外れたり、車いすが不安定になったりします。使う前に、引っ張っても外れないことを必ず確認してください。
僕は車いすのフットレストに引っ掛けて、ダンベルのように引き上げることもあります。
この使い方では、引く方向や負荷によって車いすが後ろへ傾く可能性があります。後ろにひっくり返らないように十分注意してください。
最初は次のくらいから試してみるとよいと思います。
- 8~10回
- 1セット
- 反動を使わずゆっくり行う
余裕があれば、少しずつ回数やセット数を増やします。
チューブを肩や腰に直接引っ掛けると、食い込んで痛かったり、滑って外れたりすることがあります。
グリップ付きの商品なら手で握りやすく、握力が弱い方はグリップに手を通して使える場合もあります。ただし、手から外れなくなるような固定方法は避け、必要に応じて専門職へ相談してください。
セラバンドやトレーニングチューブの一番の利点は、軽くてコンパクトなことです。
収納場所を取らず、手元に置いておけるので、気が向いたときにサッと使えます。筋トレを習慣にしたい方には、かなり使いやすい器具だと思います。
バーンマシン
バーンマシンは、アメリカで開発された8の字型の筋トレ器具です。
輪の中にあるハンドルを握り、両腕でグルグルと回転させて使います。
実際にやってみると、見た目以上にキツいです。
短時間でも腕や肩周辺をかなり使うので、車いす上で運動量を増やしたい方に向いていると思います。

バーンマシンには、重さが異なる複数のモデルがあります。
僕が使っているのは「バーンマシン2」です。
重さを調整できるモデルで、通常は約3.7kg、重りを外すと約2.8kgになります。中央のダイヤルでハンドルの負荷も変えられます。
数字だけを見ると、それほど重く感じないかもしれません。
しかし、顔の前で器具を支えながら回し続けると、かなりキツくなります。最初のうちは腕が上がらなくなってくるので、無理に長時間続けないようにしましょう。
「腕立て伏せの7倍」について
バーンマシンについては「腕立て伏せの7倍」という表現を見かけることがあります。
メーカー資料に掲載された検証では、バーンマシンを前回ししたときの僧帽筋の筋電図RMS最大値が、腕立て伏せの7倍以上だったとされています。
これは、筋トレ全体の効果が7倍になる、または7倍の速さで筋肉がつくという意味ではありません。
「特定の動作で僧帽筋の活動が大きかった」という結果として考えた方がよいでしょう。
バーンマシンの使い方
最初は、顔や胸の前で前回しと逆回しを行います。
例えば、次のような内容です。
- 前回しを10~20秒
- 10~20秒休憩
- 逆回しを10~20秒
- 10~20秒休憩
これを1~3セット行います。
慣れてきたら、動画のように回転方向や器具を構える位置を変えていきます。
ただし、肩より高い位置で長時間続けたり、腕が上がらない状態で無理に回したりするのは避けましょう。
肩をすくめた姿勢になってきたら、一度休憩する合図です。
上の動画では、バーンマシンの基本的な回し方を確認できます。
車いす上では体幹の安定性や肩の可動域に個人差があります。車輪をロックし、最初は短時間・軽い負荷から試してください。
僕も最初はすぐに息切れして、腕が上がらなくなっていました。
続けていくうちに少しずつセット数を増やせるようになり、持久力や体力がついてきたと感じています。
紹介している3つの中では一番値段が高いですが、短時間でも「運動したなー!」と実感しやすい器具です。
アームバー
最後にアームバーを紹介します。
アームバーは、真ん中にバネが付いたストレート型やV字型の筋トレ器具です。
これは退院祝いに先輩からもらいました。
「上半身バキバキになるよー!あげるわ」
「ありがとうございます!どの辺の筋肉に効くんですか?」
「んー、胸?」
というお答えでした(笑)。
気になったので、アームバーで使われる筋肉を調べてみました。
使い方によって異なりますが、主に次の部分を使います。
- 大胸筋
- 三角筋
- 広背筋
- 僧帽筋
- 前腕
- 上腕二頭筋
- 上腕三頭筋
胸や腕に効果があるのは分かりやすいですが、構える位置や曲げ方によっては背中や肩周辺も使います。

アームバーの使い方
基本的な動作は、アームバーの両端を握り、胸の前でゆっくり曲げることです。
曲げた状態を短時間キープしてから、反動を使わずゆっくり元へ戻します。
最初は次のくらいから試してみましょう。
- 5~10回
- 1セット
- 曲げた状態を1~3秒キープ
重要なのは、戻すときです。
バネの力で急に元へ戻ると、顔や胸に当たったり、手首や肩を痛めたりする可能性があります。最後まで力を抜かず、ゆっくり戻してください。
最初に選ぶなら、強度20~30kg程度が目安になりますが、筋力や障害の状態によっては強すぎる場合もあります。
無理なく曲げられ、元の位置まで安全に戻せる強度を選ぶことが大切です。
頭の後ろで曲げる方法もありますが、肩の可動域が必要になります。車いすユーザーは移乗や車いす駆動でも肩を使うため、無理に頭の後ろで行う必要はないと思います。
まずは胸の前など、器具をコントロールしやすい位置から始めましょう。
動画内のすべての動きを行う必要はありません。車いす上で姿勢を保てる範囲、肩に痛みが出ない範囲で取り入れてください。
初心者向けの10分メニュー
どれから始めたらよいか迷う方は、まず10分程度の短いメニューから試してみてください。
1.肩や腕を軽く動かす
肩をすくめたり下げたりしながら、無理のない範囲で腕を動かします。
いきなり強い負荷をかけず、身体を温めるイメージです。
2.トレーニングチューブを引く
8~10回を1セット行います。
肩が上がらないように意識しながら、ゆっくり引いて戻します。
3.バーンマシンを回す
前回しを10~20秒、休憩してから逆回しを10~20秒行います。
バーンマシンを持っていない場合は、この種目を省いても問題ありません。
4.アームバーを曲げる
胸の前で5~10回行います。
戻す動作までゆっくりコントロールします。
5.胸と肩を軽く伸ばす
筋トレ後は、肩や胸の前側を痛みのない範囲でゆっくり伸ばします。
毎回3種類すべてを使う必要はありません。
今日はトレーニングチューブだけ、時間がある日はバーンマシンも追加する、といった形でもよいと思います。
まとめ
今回は、車いす上でできる筋トレにおすすめの器具を3つ紹介しました。
- セラバンド・トレーニングチューブ
- バーンマシン
- アームバー
どれも比較的場所を取らず、家で始めやすい器具です。
実際に僕が今も使っている器具なので、気になるものがあれば、軽い負荷から試してみてください。
初めての方には、強度を調整しやすく収納にも困らないセラバンドやトレーニングチューブがおすすめです。
短時間でもしっかり運動したい方には、バーンマシンが向いていると思います。個人的に一番「運動したなー!」と実感できるのもバーンマシンです。
ただし、大切なのは無理をすることではなく、長く続けることです。
最初は物足りないくらいの回数から始めたり、土日は休んだりしてもいいと思います。ゆるーく始めましょう。
僕はYouTubeを見ながら筋トレをすることもあります。ながら運動が一番良い方法かは分かりませんが、自分が続けやすい方法を見つけることも大切です。
僕の場合、筋トレや運動ができていなかった時期は体調がいまいちで、排便コントロールにも苦労することがありました。
もちろん、運動による変化には個人差があります。それでも、身体を動かす習慣が体調管理の助けになっていると僕は感じています。
この記事が、今は運動をしていない方や、自宅で何か始めたいと思っている方の参考になればうれしいです。

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