久しぶりに車いす用のクッションを新調しました。
車いす用クッション選びは褥瘡予防なども含めてとても重要と考えています。
そのクッションを決める際に参考になりそうな項目をいくつか紹介します。
最後に、今回僕が選んだクッション、今使っているクッションを紹介していきます。
褥瘡予防(これが一番大事でしょう!)
車いすユーザーにとって1番の天敵といっても過言ではないでしょう。
軽症でも完治するまでにかなりの時間を要しますし、重症化して
入院・手術しての治療が必要になると短くても1カ月以上は入院する必要があります。
怖いのが1度でも出来てしまうと再発のリスクがあることです。
なので普段からの予防がとても大切になってきますね。
褥瘡予防のクッションでおそらく1番ユーザーが多いのはROHOではないかと思います。
僕の周りでも愛用している方が多いです。中には何度も褥瘡が出来てしまって
他のクッションだと再発してしまうのでROHO1択という方さえいます。
僕も最初のクッションにROHOのクアドトロミドルを6年ほど使っていましたが
褥瘡は出来ていません。
姿勢保持・シーティング
次に、実際に座ってみた時の座り心地、姿勢保持ができるかどうかも重要です。
車いす用クッションの材質にはいろいろあります。
主にウレタン素材、ラテックス素材、ジェル(ゲル)素材、空気圧構造(エアー)の4種類です。
座った感じがふわふわしたり、包み込んでくれる感じ、少し弾力があるなど素材によって
全く違います。また厚みも色々あるので自分の車いすに使ってみてしっくりくるかを
確認したいですね。メーカーによっては1、2週間くらいそのクッションをレンタルできる
場合があるので、是非利用しましょう。このように自分に合った物を選ぶことが重要で、
そういった考え方をシーティングといいます。
シーティングとは、「使用する方に合わせて適切な車椅子を選択し、最適な状態に設定・調整するため
の理論と技術」とされています(*一般社団法人日本車椅子シーティング財団より引用)
興味のある方は是非調べてみてください。
調整方法・メンテナンスが簡単か
次に調整方法、メンテナンスについてです。
クッションによってもちろん構造が違うため、調整方法も様々です。
ジェル素材などの流動体は座り直しを繰り返すうちに定位置から逃げていってしまうので
定期的に元の位置になるように調整が必要になりますし、
エアセル構造などのクッションも空気圧が適した状態かをチェックする必要があります。
どれだけ高性能なクッションを使っても正しい使い方をしなければ返って褥瘡のリスクに
晒されてしまいます。正しく調整して使い、少なくとも2週間に1度は確認するべきと考えます。
日々の調整が面倒に感じたり大変な事もありますよね。ほぼメンテナンスフリーで褥瘡予防効果の
高いクッションもありますので選択肢の1つに入れてもいいでしょう。
実際、今回新調する際に悩んだクッションの中の1つでスティムライトのクッションです。
今回見送った点は少々お値段が張りましたので。。ですがとても評判のいいクッションですよ。
次にメンテナンスについてですが、クッションによっては修理、部品交換可能なものとそうでない
ものがあるということです。
ジェル素材のものや複層構造になっているものは、その部分だけを交換できるものもあるようです。
エアセル構造のROHOなどは修理可能です。
ROHOに関しては修理にも出したし、修理キットが付属しているので自分で修理もしています。
ものによってはクッション自体を交換が必要な時もあるで、選ぶ際にメーカーや周りで
使っている人にに確認するといいでしょう。
耐久性
最後に耐久性。
10年経っても修理もなく使えている人、5年も持たず修理に出す必要があったりと様々な
ようですが、僕は5~6年ほどで修理や交換をしてきています。「使い方が雑なのかな。。」
と凹んでいました。(安い買い物じゃないですからね😢)
ただそんなことはなく、ジェル(ゲル)素材でもエアセル構造のものなども平均として5~6年で交換、
修理をされている方が多いようです。とは言えできれば長く使いたいですよね。
少しでも長持ちさせるコツとしては、移乗時やプッシュアップをしている時に、勢いよく
座らない事。ドンっ!!と座っていたらクッションにもお尻にも優しくないですからね。
あとは車に車いすを積み込んだ時のクッションの置き場所も気を付けています。
なるべく座席の上に型崩れしない置き方を心掛けています。
クッションのカバーを定期的に洗濯することもいいですね。普段クッションの中身を見る事はほぼ
ないので、月に1回でも洗ってあげればその時にクッションの劣化具合も確認できるので、
早めの対応ができるのでお勧めです。
使用中のクッション
僕は車いすを家用、外用と分けて使っています。それぞれクッションのメーカーは
違いますがどちらもウレタンフォームとエアセル部で形成されたハイブリッドタイプ
を使用しています。ある程度姿勢保持ができ、褥瘡も予防するというタイプになります。
自分の要望や損傷部位などからこちらがいいんじゃないかと業者さんに紹介してもらいました。
今回新調したクッションはottobock(オットーボック)のテラフレアというクッションです。
主に外用の車いすで使っています。
こちらはレストサスペンションフォームという独自に開発された素材のフォーム部が、後方の
臀部部分にはエアセルを包み込むように組み込まれているクッションになります。
クッションに求められる2 つの相反する要素 -安定性と除圧性-を独自の設計と素材で
両立したのが「テラフレア」です。
オットーボック・ジャパン (ottobock.com)
フォームもフラットではなく左右は臀部の形に合わせたデザインにカットされています。
前方も大腿部に沿った形状になっているため、更に安定性を高めてくれます。
座り心地も非常に良く安定感もあり、褥瘡リスクも下げてくれる優れたクッションだと思います。
ちなみにこのクッション2個目となります。1個目は5年ほど使っていましたがエアセル部から
空気漏れが生じてしまったため(修理して予備用に保管してあります)今回新調したのですが
あれこれ悩んだ結果リピートする形となりました。それだけ安心感のあるクッションです。
レンタルもできるようなので興味ある方は1度試乗してみてください。
室内、家用車いすではバリライトのストレータスというクッションを使っています。
「2種のウレタン」からなる「エアー」と「ウレタン」のハイブリッドタイプです。
このクッションはエアーの調整がとても簡単で、車いすから降りた状態でバルブを緩めると
勝手に空気が溜まります。空気が完全に溜まったらバルブを閉めて車いすへ移乗し、バルブを
半周ほど緩めて空気を抜きながら自分に適した状態になったところでバルブを閉めて完了です。
HPの動画では5秒ほど空気を抜くとありますがそれを目安に自分にあった調整をしましょう。
このクッションは丸洗い出来る所も非常に嬉しいですね。失禁等で汚してしまった時の
後片づけがとても楽です。約20年間も愛され続けている「ロングセラークッション」であり、
価格も非常にリーズナブルです。
こちらも現在使用しているものが2個目になります。1個目は7年ほど使いましたが修理が不可
と言われたため交換しました。とても使い勝手が良いので気に入っています。
外、室内用とで違うクッションを使っている理由は、会社に入る度に10㎝ほどの段差を
乗り越え、降りる必要があるなど、外ではお尻や腰への負担がかかる場面が多いため少しでも
クッション性や除圧効果が高いクッションを選んでいます。
室内用については排便はほぼ家で行うため、汚してしまうこともあるので丸洗いできるものは
有難いです。もちろん褥瘡になったこともないので室内に限らずとも優れたクッションです。
まとめ
今回は車いすクッションを決める際に参考になりそうな項目と、僕が今使用しているクッションを
紹介してみました。
やはり褥瘡予防をメインで選ぶべきですが、いろいろ試して自分の身体の状態や
生活動作に適したものを見つけましょう。
今回の内容が何かのお役に立ちましたら嬉しいです。
コメント